【薬膳を身近に】五つの味がするお茶を飲み体調を診断する「五味茶診」

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忙しく働く女性の心と体をリセットする
管理栄養士の杉本 留美です。

本当に毎日暑いですね。
お友達がくれたヒロコーヒーの珈琲わらび餅が本当においしい♪

みなさんも水分をしっかり摂って、熱中症にご注意くださいね。
 
 
さて、ここからが本題。

天満橋のOMMビルで開かれた「第27回 三井食品 関西メニュー提案会」に出展された「五味茶診(ごみちゃしん)」のブースで1日スタッフをしてきました。

中国の伝統医学「中医学」を基礎とした、漢方・薬膳にもとづいた「五味茶診」。たくさんの学びや気づきがあったのでご紹介します。

 
 
【目次】

 
 

【お茶で体調を診断】「五味茶診(ごみちゃしん)」とは

「五味茶診(ごみちゃしん)」とは、五味子(ごみし)という漢方方剤で作った五味子茶を飲んで体調を診断するというもの。管理栄養士の原田育代さんが考案されました。


 
五味子には五つの味(酸・苦・甘・辛・鹹)を持っていて、五味子を水出しした五味子茶を飲むと、体調によってどの味を強く感じるかが変わるのです。


 
これは中医学でいうところの五味(ごみ)をもとにしています。

五味
・酸(すっぱい)
・苦(にがい)
・甘(あまい)
・辛(からい)
・鹹(しょっぱい)

ひとつの味を大量に摂取すると体のバランスを崩し、病を引き起こす原因になることもあるのだそう。

ちなみに私は辛さを一番強く感じたので、肺に不調がある可能性があるとのこと。肺には呼吸・バリア・汗腺機能に関わっていて、大腸にも関連しています。ここが弱っていると風邪をひきやすかったり、咳が出たり、鼻詰まりになったり、汗がダラダラ出たり、便秘になったりするのだとか。

確かに気管支は強い方ではないし、もともと便秘気味。なのであたっているということでしょう。一緒にお茶を飲んだ数人は、「甘い」「酸っぱい」など意見はバラバラ。同じお茶なのに、体調によって感じ方が違うなんておもしろいですよね。
 
五味を五臓(肝・心・脾・腎・肺)と対応させることで、体調が診断できるようになっているなんて、とっても興味深いです。


 
さらに五味茶診がおもしろいのは、弱った臓器の働きを補う食べ物を提案するところ。例えば肺の機能が落ちている私には白くて辛みのある食べ物がいいんですって。


 
体質や季節に合わせて、生薬や食材の効能・性質を活かした食べ物を食べるのは薬膳の基本。東洋医学の知識がギュッと凝縮されている五味茶診はすごい!!

必ずしも全てが科学的に証明されているものではありませんが、体調の乱れを食べ物で整えるという考え方はとっても腹落ちします。

病院できちんとした血液検査などを受けるのは敷居が高いので、お茶で簡易的に体調の変化を感じられるというのは、大きな不調に気付くきっかけにもなりそうですね。
 
 

「五味茶診」のスタッフとして働くまでの流れ

実は、私が「五味茶診」を知ったのは、ほんの数週間前。「五味茶診」の考案者、原田育代さんはもともと健康栄養支援センター(HNS)を通じてお知り合いだったのですが「五味茶診」のことは知りませんでした。

原田さんが今回、三井食品さまのイベントにブースを出展されると聞いて初めて「五味茶診」の存在を知り、東洋医学には興味があったので、ボランティアスタッフに立候補してみたんです。このイベントには他に4名の栄養士・管理栄養士の方が、やはりHNSを通じて参加されました。

原田さん以外は五味茶診が初めてなので、事前にしっかりレクチャーをしていただきましたよ。シンプルだけど覚えることがけっこういっぱいで頭がパンパン!ただ、原田さんがわかりやすい資料を作ってくださっていたので、家でしっかり復習できました。

さらに原田さんおすすめの本↓も図書館で借りて予習してみました。が、ボリュームがありすぎて全ては頭に入りません。こんな状態できちんとお話しできるのでしょうか?ドキドキ。

いつもの食材 効能&レシピ帖―毎日の食卓で健康生活

そしていよいよイベント当日!
 
 

三井食品様の関西メニュー提案会で「五味茶診」を実施!


 
イベント会場は朝からすごい活気でした。


 
このイベントには三井食品様と取引のある食品メーカーさん約250社がブースを出展されていて、招待を受けた1300名が来場されます。


 
私はこういうイベントに来たことがないのでこの勢いに圧倒されてしまいました。


 
「五味茶診」のブースは三井食品様より管理栄養士の団体としてお役に立てる提案をさせていただく場としてご提供いただいています。


 
ここで五味茶診の流れをご紹介します。

まず、五味子茶を飲んでいただきます。

次に、アンケートにご回答いただき、どの味を強く感じたか、どんな不調や症状があるか、健康診断で基準値を超えている項目などについてお尋ねします。

その後、感じた味と体の不調があっているかどうかをお話しし、今の体調にあったおすすめ食材をお伝えします。

最後に、おすすめのメニューを一品試食していただいて終了です。ちなみに今回ご用意したのは五味のなかで「鹹(しょっぱい)」と感じた方向けのメニュー。五味全ての方用にそれぞれ試食があるとベストですが、運営上の理由により、今回はこの一品で。
 
 

ちなみにこれは、三井食品様からご提供いただいたノルデスト株式会社「スモークオイルサーディン オニオン風味」を使ったスモークオイルサーディンのっけ丼。

生命力を貯めていると言われている「腎」の働きを補う食材を組み合わせて作られているんです。

スモークオイルサーディン、塩昆布、ドライプルーン、ミックスナッツという和食ではありえない食材を組み合わせていますが、これがおいしい!しかも簡単!スモークオイルサーディンの味をそのままいかしているので味付けはいりません。

原田さんはこれ以外にも五味全てに対応するおすすめメニューを提案されていました。どれもシンプルでおいしそう。
 
ちなみにこちらが今回使用したノルデスト様のオイルサーディン。プレーン、オニオン風味、トマト風味があります。おいしかった!


 
 
10時に開場し、来場者が続々とブースに来られます。
 
仲間のスタッフさんが「五味茶診」デビューの写真を撮ってくれていました。顔が緊張してる…


 
来場者の中には以前も試したことがある方もいて、「前に飲んだ味と全然違う!」と驚く場面もありました。体調が変わると感じる味も変化するのですね。

ただ、食のイベントなので、他のブースでいろいろ食べたり飲んだりした後の方は、必ずしも症状と診断が一致しないことも。常用している薬によって合わないこともあるそうです。
 
 
おすすめ食材が玄米やオリーブの人にはおいしい玄米やオリーブオイルを扱っているお隣のブースをおすすめしたり↓

有限会社ホリホック様の古代品種100%のエキストラバージンオリーブオイルと白米モードで炊ける「美しい玄米」


 
 
おすすめ食材が牡蠣の人には、バリエーション豊富な牡蠣の加工品を取り扱っている目の前のブースを紹介したり↓
株式会社カネイ岡様のスモーク牡蠣とムール貝のあっさりアヒージョ


 
食のイベントならではのご近所づきあいがあって、とっても楽しかったです。
 
 

はじめての「五味茶診」 感想とまとめ

「五味茶診」も食のイベントも初めての経験でしたが、学びあり、出会いありの刺激的な1日になりました。管理栄養士の仕事は基本的に西洋医学的な観点で話すことが多いので、東洋医学全快でお話しするこんな機会は新鮮ですね。

西洋医学・東洋医学共にいいところがあるので、今後も積極的に新しい知識に触れていきたいと思います。「五味茶診」には今後の展開もあるようなので、またさせていただくことがあるかもです。ワクワク♪

五味茶診を受けていただいたみなさま、原田さん、当日ご一緒した栄養士のみなさん、三井食品様、近隣のブースで出展されていたみなさま、このたびはお世話になりました。ありがとうございました!