サイトアイコン 管理栄養士 赤松るみ|40代から人生を変える食事の学校

2018年のベストセラー「医者が教える食事術最強の教科書」は本当に最強?

今年もあと半月あまり。

この時期になると
今年売れた〇〇ベスト10
などが続々発表されますね。

日本出版販売株式会社が発表した
2018年間ベストセラー ベスト20に
食事に関する本が一冊だけ
ランクインしていました。

その一冊とは

医者が教える食事術最強の教科書20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68
牧田善二 著

堂々と第5位にランクインです。
(集計期間:2017.11.26~2018.11.24、「日販調べ」)

読んだ方、書店で手に取った方も
多いのではないでしょうか?

遅ればせながら、私もやっと目を通しました。

非常にわかりやすくて読みやすく、
あっという間に完読。
さすがベストセラーです。

個人的には、
「その通りだ」という部分と、
「うーん」と感じる部分がありました。

断片的に中途半端な理解をして実践すると、
食事全体のバランスが
くずれる危険性があるので注意が必要です。

特に気になったのは
糖質制限の主張が強いこと


肥満の犯人は脂肪ではなく糖質
糖質のとりすぎは寿命を縮める
夜は主食を摂らずおかず中心にするとよい
うどん1玉は角砂糖13個分

など、糖質制限を推奨する内容が
大半を占めています。

「ごはんは体に悪い」
と極端に減らそうとする方が
増えそうだと感じました。

健康や食事に関する本を読む時に
気をつけなければならないことは、
著者の専門分野や得意分野は何か
どういった見解を持った人なのかどうか。

どんなにいい食事法や健康法も、
100%万能ではありません。
自分の体質に合っているかどうか
本当に自分の健康のためにやるべきかどうか
見極める必要があります。

 


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例えばこの本の著者の牧田善二氏は、
38年(2017年時)にわたって
糖尿病とその合併症の治療に
携わっている人気医師。

2003年開院のクリニックには
毎月1,000人以上もの患者が訪れ、
これまでに診た患者数はのべ20万人以上。
糖質制限の関する本も多数出版されています。

こういう方の本の主張はほとんどの場合、
「糖質制限こそが健康的な食べ方だ」ということ

糖質制限はそのわかりやすさが受け入れられ、
テレビや雑誌などでも取り上げられて
大ブームになっています。

健康な方も見聞きする機会が多いので、
「糖質制限食こそがスタンダードな食事法」
と感じている方も多いのではないでしょうか。

ただし糖質制限に対しては
専門家の間でも対応が分かれているのが現状。
マスコミで紹介されるような極端な方法は
採用していない医療機関が大半です。

とはいえ、
従来の食事法を紹介しても話題性がないので
テレビでは取り上げられませんし、
本にしても売れません。

そのためこちらの本でも
わかりやすく実践しやすい
糖質制限食のノウハウが満載です。

「医学的に正しい食べ方」として
わかりやすく紹介されているので
全て実践したくなるかもしれませんが
試す場合は慎重になってください。

例えば、
「夜は主食をとらずおかず中心で」
と書かれていますが、
私は管理栄養士になる前に
この方法を実践したところ
逆にヘモグロビンA1cという
血糖の数値が上がってしまいました。

昼食から翌朝まで糖質を摂らなくしたことで
かえって朝食時に血糖値が上がり
結果的に数値が悪化したようです。

食事に対する体の反応は人それぞれ。
糖尿病の患者さんに治療としてはいい食事が
健康な人には当てはまらないこともあります。

ですから何もかもを鵜呑みにするのではなく
時には疑問を持ちながら読んでみて下さい。

とてもおすすめな内容も
たくさんあったので、
栄養支援の仕事の際に
参考にさせて頂こうと思いました。

例えばこれ↓


ゆっくりよく噛んで食べる
ランチ後すぐ20分歩く
寝る前のスイーツはやめる
海藻やキノコを積極的に食べる
体を温める

ただ、個人的には
糖質制限の本が
いまだにベストセラーになる風潮に
少し不安を感じます。

糖質のマイナス面にフォーカスするだけではなく
プラス面もきちんと伝えていきたいと思いました。
 

では、今日もおいしく食べて
元気に過ごしましょう!!
 

 


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