ビールを飲むからご飯は食べないなんて言わないで

 

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管理栄養士の杉本 留美です

夜はビールを飲むのでご飯は食べません。

という人、けっこう多いです。

確かにビールには糖質が入っていますが、ビールはごはんの代わりになるのでしょうか?

結論から言うと、なりません!

その理由をご紹介します。

 

【目次】

 
 

ビールとごはんでは含まれる糖質量が全然違う

下の表を見てください。

ごはんとビール、日本酒、焼酎に含まれる栄養成分を比較したものです。ごはんに比べ、お酒類の糖質量はかなり少ないことがわかりますね。


ごはんとビール、日本酒、焼酎に含まれる糖質量(100gあたり)

食品名 エネルギー(kcal) 糖質(g) たんぱく質(g) 脂質(g)
ごはん 168 36.8 2.5 0.3
ビール 40 3.1 0.3 0.0
清酒 103 4.9 0.4 0.0
焼酎 206 0 0.0 0.0

出典:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)


ごはんに含まれる糖質は体を動かすエネルギー源になりますが、アルコール類にはそのようなことはできません。

なお、酒類は糖質、タンパク質、脂質などの栄養成分が少ないわりにカロリーが高いと思いませんか?これはアルコール1g=7.1kcalで計算されているから。

アルコールのカロリーは糖質、脂質やタンパク質といったほかの栄養素と異なり、体内に蓄えられることはありません。そのかわりに熱となって消費されるのでエンプティーカロリー(空っぽのカロリー)と呼ばれています。

「アルコールはエンプティーカロリーだから太らない」と思われがちですが、残念ながらそうではありません。

アルコールは肝臓で分解されますが、その時に中性脂肪の合成が促されるからです。さらにアルコールを飲むと脂肪分解が抑制されます。この時に唐揚げや串揚げ、ポテトフライなど脂肪や糖質たっぷりのおつまみを食べると、当然、脂肪はつきやすくなります。

お酒を飲む人はダイエットも兼ねて夕食のごはんを抜くという声もありますが、ごはんのかわりに油っこいおかずをたくさん食べていては、ダイエットになるどころか太ってしまうので注意しましょう。

 

体のエネルギー源になるごはんを食べるのと、エネルギー源にはならず、脂肪合成が促されるアルコールを飲むのとでは、全く体への影響が異なるということがおわかりいただけたでしょうか。
 
 

胃腸を動かさず体を冷やすビール、胃腸を動かして体を温めるごはん

また、胃腸への影響という点でもビールとごはんでは全く異なります。

ビールは液体、ごはんは粒状の固体です。ビールに限らずですが、液状のものは噛む必要がないので、ゴクゴクと短時間で大量に摂取してしまいます。消化のために胃腸が動くことはなく、冷たいので胃腸を冷やしてむしろ消化活動を鈍らせることになるのです。

ごはんはどうでしょう。粒状なので口の中でよく噛んで食べることができます。噛むと唾液が出て、口の中から消化が始まります。唾液には殺菌成分、美容成分、老化予防成分などが含まれるので、噛むこと自体が健康につながります。顎の筋肉を使うことで、顔の引き締め効果もあるんです。

さらにしっかり噛んだごはんが胃腸に入ると消化活動が活発になり、体が熱を発します。ごはんを食べるとお腹がぽかぽかするのを感じることはあるでしょうか?体温が上がると消化はスムーズになり、消費エネルギーも上がってカロリーは燃えやすくなるんです。
 
 

お酒を飲む時はごはんも食べるのがおすすめ

なお、アルコールを代謝するためには炭水化物が必要です。なので、ごはんを抜くより食べる方がいいでしょう。

サザエさんではよく飲んで帰った波平さんが家でお茶漬けを食べていますが、理にかなった食べ方だと思います。

ただし、代謝に炭水化物が必要だからといって、ラーメンやチャーハンなどを油っこいメニューや、アイスやケーキなどのデザートを食べるのはおすすめできません。脂質と炭水化物ととるとエネルギーが燃えにくくなり、肥満の原因になるからです。

もちろん、飲み過ぎ、食べ過ぎは肥満につながるので要注意ですよ!

アルコールの適量は以下の通り


アルコールの1日の適量

ビール 中瓶500ml 200kcal
日本酒 180ml(1合) 190kcal
焼酎 100ml(0.6合) 160kcal
ウイスキー ダブル1杯(60ml) 140kcal
ワイン 2杯(240ml) 180kcal

 
適量を守って、楽しくお酒を楽しみながら、大切な体をいたわってくださいね。

では、今日もおいしく食べて、元気に過ごしましょう!