玄米と雑穀と白米、健康のためには結局どれを食べるのがいいの?

 

白米って太るんでしょ。
玄米や雑穀がいいって聞いたけど

なんて質問を受けることがよくあります。

ごはんは食事の中心的な存在。どういったごはんを選ぶかで、体はかなり変わってきます。それだけにみなさんの関心もけっこう高い。

ただ、玄米、雑穀、白米のどれを選ぶといいのか「よくわからない」という人も多いのではないでしょうか?

そこでこの記事では、玄米、雑穀米、白米の違いについてご説明します。主食選びの参考にしていただければ幸いです。

【目次】

 
 

玄米と白米はどう違う?


まずは玄米と白米の違いについて

稲を刈り、脱穀して籾(もみ)として保存し、籾すり(もみすり)したものが玄米です。籾すりは、籾から籾殻(もみがら)を取り除く作業のこと。

その玄米から糠(ぬか)と胚芽(はいが)を取り除き、胚乳(はいにゅう)のみにしたお米が白米です。

つまり、白米と玄米はどちらももともとは「稲」という食物。果物に例えると、皮をむいたか、むいていないかという差があるだけで、中身は同じ。

玄米と白米の間には分つき米があり、三分つき米、五分つき米、七分つき米、胚芽米の順に精白度合いが大きくなり、白米に近づくほど、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養成分は減っていきます。

精白によって減っていく主な栄養素

脂質(リノール酸、オレイン酸など)
たんぱく質
ビタミンB1
ビタミンE
食物繊維
マグネシウム
鉄分
亜鉛など

 
玄米だとそれらの成分を丸ごと頂けるので体にいいといわれているのです。
 
 

玄米と雑穀はどう違う?

玄米は米ですが、雑穀は米や小麦など、主食として食べられていない穀物の総称です。もともとは粒が小さいアワ、キビ、ヒエなどイネ科の食用植物とされてきましたが、最近では、大麦、はとむぎ、そばの実、大豆、アマランサス、キヌアなども含めるようになってきました。

つまり、玄米・白米と雑穀では、そもそも違う種類の食べ物です。しかも雑穀にはそれぞれ個性があり、含まれる栄養素、色、形、食感も異なります。バリエーションが豊富なので、組み合わせによって変化がつけられるというメリットがあります。

雑穀というと複数の雑穀がミックスされたブレンド雑穀をイメージする人が多いと思います。ただ、野菜が種類によって味や栄養価が異なるように、雑穀にもひとつひとつの個性があるのです。それぞれの特徴を知ると、雑穀選びが楽しくなりますよ。

また、玄米と雑穀で違っている点は、玄米は単体で食べられることが多いですが、雑穀は白米や玄米と混ぜて雑穀米として食べられることが多く、雑穀だけを主食として食べる人は少ないという点です。

白米と混ぜる量は、人によりますが、一般的に白米1合に対し、大サジ1~3杯程度(約10~30g)ほど混ぜる人が多いようです。麦ごはんの場合は、ほかの雑穀と比べて多めの割合(1:1や2:1など)で混ぜて食べる人もいます。

もちろん、玄米に雑穀を混ぜたり、雑穀単品でスープやサラダに取りいれたりもしますが、ご飯に混ぜて食べる人が圧倒的に多いですね。

雑穀は普段食べ慣れたごはんに好みの量を混ぜて炊くことができるため、比較的食べやすく、それでいて栄養価も高いという特徴があります。

↓雑穀についてさらに詳しく知りたい方はコチラの記事もお読みください
>>天然のサプリメント「雑穀」の魅力と特徴、効果とは

 
 

玄米、雑穀、白米の栄養価を比較してみた

では、これらの栄養素はどうなっているのでしょう?

日本食品標準成分表2015年版(七訂)には雑穀(五穀)が新しく追加になりました。そのデータを使って玄米、精白米、雑穀(五穀)の栄養成分を比較してみましょう。


日本食品標準成分表2015年版(七訂)
※五穀とはあわ、きび、ひえ、大麦等を含むもの

炭水化物は精白米>玄米>五穀の順に減っていきます。玄米と白米は中身が同じなので、炭水化物量はそれほど大きく変わりません。

ただし、マグネシウム、鉄などのミネラル、ビタミンB1や食物繊維の量は、白米より玄米が圧倒的に多いです。米を精製することで、大切な栄養素がいかに失われているかがわかりますね。

五穀も玄米に引けをとらないほど栄養豊富です。ただし、五穀は白米に混ぜて炊くことが多いので、雑穀ごはんとして食べる時の栄養価はもう少し下がると考えてください。

栄養価だけを比較すると、玄米が一番いいように感じられると思います。では、ごはんに一番おすすめなのは玄米なのでしょうか?
 
 

玄米、雑穀、白米のメリット・デメリットを徹底比較

栄養豊富な玄米、雑穀ですが、これらにはそれぞれメリットとデメリットがあります。表にまとめてみたので参考にしてみて下さい。

玄米 雑穀 白米
栄養価 ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富 ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富 ミネラル、食物繊維が少ない
デトックス力 強い 種類により弱い~強い やや弱い、整腸作用あり
消化 よくない 種類によりよい~よくない よい
胃腸への負担 重い 種類により軽い~重い 軽い
吸収 ミネラルの吸収悪い 種類により異なる 吸収の負担なし
手軽さ 浸水時間長い 種類により浸水時間が長いものもあるが、白米に混ぜて手軽に炊ける 手軽に炊ける
食べやすさ 咀嚼が必要 ある程度、咀嚼が必要 食べやすいが適度に咀嚼が必要
値段 やや高い 高い 普通

 

玄米は栄養価が高いというメリットがある反面、デトックス力が強いため、体に必要な栄養素まで排出してしまったり、鉄分などミネラルの吸収を妨げたりするというデメリットがあります。貧血の人は注意してください。また消化に負担がかかるため、ご高齢の方や小さな子供さんには必ずしもおすすめできません。調理の手間でいうと、吸水時間が長いため、セットしてから炊きあがるまでに時間がかかってしまいます。
 

一方、白米は栄養価という点では玄米、雑穀に劣りますが、消化吸収がよく、子供さんからお年寄りまで誰が食べても大丈夫です。炊飯の手間も少なく、流通量が多いので簡単に、手ごろな値段で手に入ります。玄米ほど噛み応えはありませんが、パンや麺に比べると粒状なのである程度の咀嚼が必要なためよく噛んで食べられます。
 

雑穀は種類によって特徴が異なりますが、全体的に白米より栄養は豊富。消化吸収は、黒米、赤米、緑米など古代米と言われるものはあまりよくありません。ただ、あわ、きび、ひえなど、小さな粒の雑穀は離乳食にも使えるほど消化がよく、食べやすいです。また、白米などに混ぜて炊くと食感に変化がうまれ、自然と咀嚼が増えるのでよく噛むことに繋がります。
 
 

玄米、雑穀、白米は、結局どれがおすすめなの?

以上、玄米、雑穀、白米の違いを見てきましたが、どれを食べるのがいいのでしょう?食べる方の嗜好や年齢、胃腸や歯の状態がわからないので一概には言えませんが、簡単にまとめると以下のようになります。
 

玄米がおすすめな人

・米の栄養素をまるごと頂きたい人
・歯が丈夫でよく噛んで食べられる人
・胃腸が丈夫な人
・米にデトックス力を期待する人
 

白米がおすすめな人

・小さな子供さん
・ご高齢の方
・歯が弱い人
・胃腸が弱い人
・主食のコストを抑えたい方
 

雑穀がおすすめな人

・白米が好きだけどもっと栄養のあるごはんが食べたい人
・好みの栄養をごはんに加えたい人
・いろんな形、色や食感を楽しみたい人
・家族構成に合わせてブレンドを変えたい人
 
 
ちなみに私は白米に雑穀をブレンドすることをおすすめしています。

その理由は以下の通り

・白米の栄養価を、雑穀を混ぜるだけで簡単に上げることができる
・消化、吸収が玄米ほど悪くないので子供からお年寄りまで食べられる
・雑穀の種類は、食べる人の年齢や体の状態に合わせて選ぶことができる
・やや高価な雑穀を手頃な白米組み合わせることで経済的に無理なく続けられる
・白米がベースだと食べやすくておいしい

そんなわけで私は、精白米1合に対し、大サジ2~3杯程度の雑穀を混ぜて炊いています。雑穀は今では単品で好きなものを買って自分でブレンドしていますが、はじめはブレンド雑穀を使っていました。その方が体に合った栄養を効率的に摂りいれることができるからです。

おいしさという点でも、もち性の雑穀などはもちもちした食感がとてもおいしいです。主食は毎日食べるものなので、長く、手軽に続けられることが大切だと思います。玄米を食べていた時期もありましたが、やはり白米の方が私は好きです。

その点、雑穀なら白米のおいしさと雑穀のおいしさの両方を味わうことができるのでとてもお得だと感じます。

食事の中心のごはんにどれを選ぶかで、食生活は大きく変わります。ご自身やご家族の健康のために、どれを選ぶか検討してみて下さいね。


 

 


▼動画で雑穀の魅力と特徴についてご紹介しています。なにがいいかよくわからない、どんな雑穀を選べばいいかわからないって人は、ご覧ください。

>>雑穀生活のススメ~雑穀の魅力と特徴について~

>>雑穀生活のススメ~ブレンド雑穀の選び方・買える場所・いい雑穀の見分け方~


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