ビタミン・ミネラル・食物繊維の宝庫、「食べるサプリ」雑穀の力

忙しく働く女性の健康サポートをする管理栄養士の杉本留美です。

雨が降って涼しくなったり、天気になると真夏日になったり…

寒暖差の大きい梅雨前のこの季節は何かと体調を崩しがちですよね。

不安定な体を整えてくれる雑穀のパワーについて、大阪雑穀の会のダニエル純子さんと辻井侑里子さんが主催された「初夏の雑穀レッスン」で学んできました。

「体に良さそう」
「おいしい」

雑穀にそんなイメージを持っている人も、何がどういいのかについてよくわからないことが多いのではないでしょうか。

ワークショップでは、雑穀の基本からひとつひとつの栄養、一緒に食べるといい食べ物などについてわかりやすく教えて頂きました。

雑穀の特徴を知って、プチ不調を解消!

メジャーな雑穀の特徴と、どんな不調にいいのかをまとめてみました。

雑穀名

特徴

こんな不調に

あわ ビタミンB群、ナイアシン、パントテン酸、亜鉛、鉄分を含む。肌のターンオーバーを促すパントテン酸が特に豊富。ほんのり甘く、加熱するとトロトロするのでチーズの代用として使われることも。 肌トラブル、肥満予防、貧血
きび マグネシウムやパントテン酸が肌のターンオーバーを促進。脂質代謝を促すビタミンB2や亜鉛も含んでいます。卵色をしているので卵料理やスイーツにも使いやすい。 肌トラブル、肥満予防
ひえ ターンオーバーを促進するパントテン酸やマグネシウム、脂質代謝を促す亜鉛、むくみを防ぐカリウムが豊富。体を温める効果もある。 冷え性、肌トラブル、むくみ
はとむぎ いぼ、ニキビなど肌トラブルに有効とされる特有の成分が有名で美肌におすすめ。利尿作用があるカリウム、脂質代謝を促すビタミンB2も含む。 肌荒れ、いぼ、むくみ
大麦 食物繊維は白米の約20倍。不溶性食物繊維に加え、βグルカンという水溶性食物繊維が豊富!βグルカンは便を柔らかくしてスルッと出やすくしてくれます。 便秘・下痢
黒米 黒い色素はブルーベリーにも含まれるポリフェノールのアントシアニン。抗酸化作用が強く、古くから薬膳料理に使用され「薬米」とも呼ばれる。 疲れやすさ
赤米 抗酸化作用のあるポリフェノールのタンニンを含む。現代の米のルーツ。 疲れやすさ
緑米 緑色は緑黄色野菜に多いクロロフィル。デトックス作用が高い 疲れやすさ
たかきび 赤ワインと同じポリフェノールが多く、抗酸化作用に優れている。食物繊維、マグネシウム、鉄分、亜鉛、ビタミンB群も多く、栄養価が高い。炊くとひき肉に似ているので、ハンバーグなどに使われる
たかきびの麻婆豆腐レシピはコチラ
便秘、貧血、肌荒れ、疲れやすさ
アマランサス 白米に比べ、カルシウムは32倍、食物繊維は15倍、鉄分は12倍など非常に栄養豊富。水にふやけないのでプチプチした食感が楽しめる 貧血、疲れやすさ、冷え性、生理痛
そばの実 ポリフェノールのルチンを含む。ルチンには毛細血管の強化や動脈硬化の予防、脳卒中の予防に効果があるという研究結果があり、血圧降下の作用も確認されている。カリウム、マグネシウム、ビタミンB群も豊富 高血圧、高脂質、むくみ、肌トラブル

これらはほんの一例です。

それぞれの雑穀にはいろんな作用があって、上記以外にもさまざまな体調の変化を感じられるかもしれません。

雑穀米といえばあらかじめ数種類が混ざったブレンド雑穀を選ぶことが多いと思います。それでももちろんかまわないのですが、それぞれの特徴がわかると、自分や家族の体に必要な作用のある雑穀を単品で購入してピンポイントで使うことができるんです。

複数の雑穀を組み合わせれば、栄養素を補い合ってくれますし、単品なら必要な栄養にフォーカスして摂取することが可能。

目的に応じて使い分けてみましょう。

 

雑穀の食べ方、使い方、調理法

 

1)白米に混ぜて炊く

一番手軽な方法です。
混ぜる量は以下の通り。

・現状維持なら1合に雑穀大さじ1
・体質改善なら1合に雑穀大さじ2~3杯が目安

私はいつも3杯ほど入れています。
雑穀を入れた分だけ水を加えてください。

ご家族に雑穀が苦手な方がいる場合、1度で白米と雑穀米を炊き分けられる炊き分け法がおすすめです
>>炊き分け法について詳しくはコチラ
 

2)茹でて料理に加える

適量をまとめて茹でてタッパーに保存。サラダやドレッシングなどに加えるといいアクセントに!

茹で時間は
・小さい雑穀なら3~5分
・大きい雑穀なら10~20分が目安

抗酸化成分は水に溶けやすいので水の量はギリギリがおすすめ

冷蔵庫なら2?3日、冷凍なら2~3週間保存できます。

3)スープや煮込み料理にそのまま加える

一緒に煮込めば簡単!穀物なので適度なとろみもつきますよ。

雑穀に足りない栄養を補う相性のいい食材は?

栄養満点な雑穀ですが、完ぺきではありません。
雑穀に足りない栄養素は
ビタミンC・A
必須アミノ酸のリジン

これらを一緒に摂ることで栄養バランスが整います。

具体的な3代食材がコチラ
野菜
果物
大豆

ほほーって思いますよね。

雑穀を食べる時はたっぷり野菜の味噌汁+果物がおすすめ!

雑穀をおいしく食べる実践編!

レッスン後、講師のお二人による手作りランチをいただきました。

・大阪雑穀の会のオリジナル十穀米

・野菜たっぷり味噌汁

・冷しゃぶ
 もち粟とみょうがの豆乳ドレッシング
 黒米の梅ドレッシング

・水ナスの塩麹付け

・キュウリと大根のゆかり付け

雑穀入りのドレッシングはどちらもおいしかったです。
雑穀が入ることでごはんもおかずも噛み応えが出るのでおなかいっぱいに!

デザートはレッスン会場のガトーショコラ専門店「ショコラッタ」さんのガトーショコラ!

手前が一番人気の「濃いガトーショコラ」
奥は「パッションフルーツ」です。

7~8種類の中から選べたのですが、どれもグルテンフリーなんだとか!!

言われなければわからないほどしっとり濃厚でおいしい!

頭も心もおなかも満杯になりました。

これからの季節、ごはんに混ぜるだけで簡単に栄養価をアップできる雑穀!

上手に使って暑い夏を乗り切りましょう!