「太る」か「痩せる」かは腸内フローラが握っている
「私食べるとすぐ太るんで」
そう言って食べる量を控える女性は少なくありません。
たしかに「食べすぎ」と「運動不足」は太る2大原因です。
でももし、太りやすさの原因が、腸内フローラにもあるとしたらどう思いますか?
腸内フローラとは、私たちみんなの腸内にすむ腸内細菌たちの生態系のこと。
200兆個とも言われる腸内細菌たちが、種類ごとに群れをつくって花のように咲き乱れていることから「フローラ(お花畑)」と呼ばれています。
この腸内フローラの乱れが、肥満体質の原因になるという衝撃的な記事が、世界的な科学雑誌「サイエンス」掲載されました。2013年9月のことです。
論文を発表腸内細菌研究のトップを走るワシントン大学教授のジェフリー・ゴードン氏
それから約4年超の間に腸内フローラと肥満の研究が世界中で活発になり、テレビや雑誌でも頻繁に取り上げられるようになりました。
タイトルにある「ヤセ菌」「デブ菌」という言葉もその中で生まれましたが、正確にいうと「ヤセフローラ」と「デブフローラ」なのだそう。
どういうことかというと、太りやすい人の腸内に「デブ菌」がいるのではなく、「太りにくくする菌がいない」ということ。
腸内には肥満から私たちを守る菌がいるのですが、その数が減ると「デブフローラ」になるのです。
肥満をから守ってくれているのは、バクテロイデスなどの腸内細菌。これらの菌たちは「短鎖脂肪酸」という物質を作ります。この「短鎖脂肪酸」の働きがすごい!
短鎖脂肪酸は脂肪が過剰にたまるのを防ぎ、食べすぎたエネルギーを消費しています。いわば「天然の痩せ薬」。この短鎖脂肪酸をたくさん作り出すバクテロイデスなどの細菌はとっても大切です!
「デブフローラ」では、これらの細菌の数が極端に少なくなります。そして、これらの細菌を人工的に与えると、太りやすい体質が治ることも確認されたんです!
ここまで読んで、もしかして私、「デブフローラ」かも。「ヤセフローラ」になることはできないの?と思われたかもしれませんね。

安心してください。「デブフローラ」でも「ヤセフローラ」になることはできます!!!
デブフローラからヤセフローラになる方法
デブフローラ卒業のポイントは、「腸内細菌にエサを与える」こと。
バクテロイデスなどの短鎖脂肪酸を作る細菌たちは「食物繊維」が大好物。食物繊維は短鎖脂肪酸の原料になるのです。
つまり、偏った食生活をして食物繊維が不足すると、それらをエサにしている細菌たちが減ります。
そうなると「デブフローラ」への道まっしぐら!
ヤセフローラのためには食物繊維が豊富な食事が大切です。
食べる量を減らすだけじゃなく、食物繊維を増やそう!
「痩せたい」と思ったら、食べる量を減らすのがダイエットの王道でした。でも、単に減らすだけでは食事の「バランス」が乱れがち。
腸内環境のことを思うと、量を減らすだけではなく、食物繊維を増やすことがダイエットへの近道だとわかりますね。
食物繊維は「野菜」だけに入っているイメージかもしれませんが、他にも色々な食べ物に含まれています。
食物繊維が多い食品
野菜類
ゴボウ、ほうれん草、モロヘイヤなど
果物類
アボカド、キウイフルーツ、ドライプルーンなど
海藻類
きのこ類
大豆・豆類
特に発酵食品の納豆はおすすめ!
玄米
雑穀
人気のもち麦は特におすすめ!
痩せるためには腸内細菌を味方につけることが大切です。お腹の中に私たちをスリムに保ってくれるご主人様想いのペットがたくさんいる。そう思って口にするものを選んでみてください。
「腸内細菌を喜ばせる食事」という時点で食べ物を選ぶと、食生活が変わり、腸内が変わり、体型も変わっていくと思いますよ。
腸内フローラについて詳しくはこちらの本↓を参考にしました。
「腸内フローラ」というワードを一躍、有名にしたNHKスペシャル「腸内フローラ 解明!驚異の細菌パワー」の取材班がまとめたものなので、とってもわかりやすくて読みやすいです。
では、今日も一日、おいしく食べて元気に過ごしましょう!