「白い炭水化物」は体に悪くて、「茶色い炭水化物」は体にいいって本当?(後編)




 

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管理栄養士の杉本 留美です

昨日の続きです。

白米をはじめ「白い炭水化物」は「健康に悪い」というのは本当か、「茶色い炭水化物」を食べたほうがいいのかについて考えていきましょう。
 
【目次】

 
 

白米を食べると糖尿病のリスクが上がるって本当?

「白い炭水化物」と「茶色い炭水化物」について実施された複数と研究結果を見ると、「いますぐ白米をやめて玄米に変えないと糖尿病になってしまうのでは…」と不安にかられるかもしれません。

ただ、私はそんなにシンプルに白米の摂取量だけが糖尿病のリスクを上げる要因ではないと思います。
 
下のグラフをご覧ください。米の年間消費量の推移を表わしたものです。このデータによると、約50年の間に、米の消費量は約半分に減っています。「昔の人は玄米や麦を食べていたのでは?」と反論されるかもしれませんが、昭和40年代に玄米食をしていた人がそこまで多いとは考えにくいですよね。

参照 農林水産省「米の消費に関する動向」

一方、糖尿病の患者はこの半世紀で急増しました。糖尿病が疑われる人、可能性が否定できない人の総数は平成19年には2000万人の大台に乗り、約50年の間に糖尿病人口は約50倍にもなったのです。
 

「糖尿病が強く疑われる者」、「糖尿病の可能性を否定できない者」の割合の年次推移
(20歳以上、総数・男女別)(平成9年、14年、19年、24年、28年)

↑グラフは直近20年分のものしかみつけられませんでした。わかりにくくてすみません…

 

米の摂取量は減っているのに、糖尿病患者は増え続けている。白米が悪者扱いされるのはなんだかおかしいと思いませんか?
 
 

白米の量そのものより、食事全体のバランスを考える

重要視するべきなのは、白米の量そのものよりも、食事全体のバランスではないでしょうか?

下のグラフは栄養素別の摂取量の推移をまとめたもの。昭和21年を100として、その後どれほど数値が増えているから相対的に表しています。
 

栄養素別 摂取量の推移

栄養素等摂取量の推移(昭和21年=100)  資料:厚生省「平成11年国民栄養調査」

 
この50年で炭水化物の摂取が減ったのに対し、脂質の摂取は増えていますね。その値はこの50年で約4倍!

半世紀前の日本人は、ごはんを今より多く食べていて、脂質は控えめでした。それでも糖尿病患者はそれほど多くなかったのです。

平成になってごはんの消費量は減り、脂質の摂取量が増えていきました。そして糖尿病患者は急増しています。

糖尿病患者が増えている要因に大きくかかわっているのは、私たちが昔から日常的に食べていた「白米」でしょうか?それともこの半世紀で摂取量が約4倍に増えた「脂質」でしょうか?

みなさんはどう思われますか?
 
 

真犯人は脂質の割合が高い食事?

減らすべきは白米より脂質?

バター、ラード、マーガリン、脂身の多い肉類やソーセージ・ベーコンなどの肉加工品、シメのデザート…

これらが食卓に占める割合が増えているとは感じませんか?

脂質は食べ過ぎると脂肪になるのはイメージできると思います。ところが最近の糖質制限ブームでは、脂質をたくさんとっても、炭水化物を控えれば大丈夫、という情報が広まりつつあるので心配です。

そもそも炭水化物は3大栄養素の中でエネルギー源として一番に使われる燃えやすい栄養素。しっかり燃焼させれば、体に残りにくいのです。炭水化物だけが要因で肥満になったり、糖尿病のリスクが上がる可能性が低いことは、50年前の日本食を見ればお分かりいただけるでしょう。

ところが炭水化物と脂質を一緒に摂ると、血糖値の上昇スピードは緩やかになりますが、下降スピードも緩やかになります。つまり高血糖の状態を長時間続けることになり、血管に負担がかかってしまうのです。

また、炭水化物と一緒に食べ過ぎた脂質は、体脂肪に変わりやすく肥満を招きます。肥満は糖尿病のリスクを上げるので、間接的に炭水化物が肥満の原因のようにされてしまうのではないでしょうか。
 

ただ、誤解しないでほしいのですが、脂質が悪者だということではありません。脂質は炭水化物・たんぱく質と並んで私たちの体に必要な3大栄養素のひとつです。

脂質が足りなければ、しなやかな血管は切れやすくなり、健康維持に欠かせないホルモンは不足し、肌からは潤いがなくなります。

問題は脂質の割合です。肥満→糖尿病のリスクを避けるなら、白米などの炭水化物を減らすより、おかずや脂肪たっぷりのデザートを減らしてください。
 

炭水化物を抜けば、脂質を摂っても大丈夫?

炭水化物をとらなければ脂質を摂っても問題ないのでは、と言われそうですが、炭水化物を極端に減らす減らす糖質制限ダイエットもおすすめできません。

炭水化物をカットすると満腹感を得にくいため、ついついおかずの食べ過ぎてしまうことがよくあります。おかずを食べ過ぎると脂質や塩分の摂りすぎに繋がるため、LDLコレステロールや中性脂肪といった脂質の数値が悪化したり、血圧が上がるなど、血糖値以外に影響が及ぶリスクが上がります。タンパク質のとりすぎのため、腎臓の数値が悪化する人もいるので、長期的な体への影響が心配です。

お腹いっぱい食べられないストレスもつのり、イライラするので健康にも美容にもよくありません。
 
 

結局、何をどう食べればいいのか?

ごはんとみそ汁を中心にした一汁一菜がおすすめ

ここまでは、白米自体が糖尿病のリスクを高めているというより、脂質とのバランスが重要ではないかということをご説明しました。では具体的にどのような食事をすればいいのでしょうか?

私がおすすめするのは、ごはんとみそ汁を中心とした一汁一菜。

ごはんと具だくさんの味噌汁、それに魚・肉・豆腐・卵などを使ったタンパク質のおかずが1品のシンプルな食事です。

ポイントは
・ごはんを60%以上にすること
・味噌汁を具だくさんにしてビタミン、ミネラル、食物繊維をたっぷりとること

こうするとおかずの割合が減って、脂質の摂り過ぎを防げるうえ、栄養も豊富な健康ごはんになります。

ごはんはゆっくりよく噛んで、甘味が出るのを感じながら食べましょう。そうすると胃腸がよく動いて、筋肉の動きも活性化されるので、脂肪が燃焼されやすい体になります。

 

主食は雑穀米がおすすめ

ごはんは玄米でもいいですし、玄米でなくても構いません。玄米は栄養豊富な反面、消化が悪く、炊飯の手間もかかるので、合わない人は無理に玄米にしなくてもいいでしょう。

ちなみに私は自分でブレンドした雑穀米を食べています。それは「白米が健康に悪い」と思っているからではなく、雑穀米にすると白米からは得られない栄養素が手軽に摂れるから。

白米を食べていても、味噌汁の具やおかずからたっぷりのビタミン、ミネラル、食物繊維を摂れるならいいと思います。ただ、おかずから十分な栄養素を摂ろうとすると手間もコストもかかります。白米だけで十分な栄養をとるのはなかなか難しいのが現状です。

そこでおすすめなのが雑穀米。雑穀は食べるサプリメントといってもいいほど栄養が豊富。白米に混ぜて炊くのでベースは白米ですし、玄米よりも食べやすいところが気に入っています。種類によって含まれる栄養素が異なるので、自分の体質に合わせて好みのものを選んで食べられるのも魅力です。

私が最近食べているのは、あわ・きび・ひえ・もち麦・はとむぎ・黒米あたりをブレンドした五~六穀米。ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富ですし、あわ・きび・もち麦はもちもちしているし、はとむぎはプリプリしているのでおいしくて食感も楽しめるんですよ。

>>雑穀について詳しくはコチラ

こちらの記事も人気です
>>五穀米より十五穀米の方がいいの?

 

玄米と白米の中間「分つき米(ぶつきまい)」という選択肢もあり

玄米や雑穀米を食べるのは難しいけれど、白米より栄養が多いごはんを食べたい、という人は白米と玄米の間にあたる「分つき米(ぶつきまい)」がおすすめ。玄米から糠(ぬか)と胚芽(はいが)を完全に取り除かず、1割だけ、2割だけなど好みの割合で取り除いたものなので、白米よりも栄養素が豊富になります。

玄米が買えるお米屋さんなどがお近くにあれば、分つき米にしてもらえることが多いので頼んでみるといいでしょう。最近では家で分つき米ができる家電製品もありますよね。

ツインバード、アイリスオーヤマ、山本電気、象印といったメーカーの商品が主流のようです。精米したてのお米を家で食べられるなんて、なんてぜいたく♪

主食は、白米、分つき米、雑穀米、玄米から、続けやすいものを選んでください。選び方を知りたい方は、コメント頂ければご説明いたします。
 
では、今日も一日、おいしく食べて、元気に過ごしましょう!
 

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